こちらでは「抗菌木材、長持ち1番!」で使用している木材をご紹介します。
加圧注入装置のタンクに、杉を入れます。タンク内の圧力を下げて真空状態にし、木材の中の空気を抜いていきます。
そこに、銅化合物を含んだ薬剤を満たしてから圧力を高め、木材の内部まで薬剤が浸透するようにします。
最後にタンク内の圧力を下げることで、木材から余分な薬剤を排出させて装置から取り出します。
木材の中に空気があると薬剤が入りにくいので、しっかり空気を抜くのがポイントです。
一回の加圧処理には、約6時間程度の時間が必要です。
処理を終えた木材のにおいを嗅いでみると、ニスなどとはまったく違う心地よい木の香りがします。
戦前からクレオソート油と呼ばれる薬剤を使用していましたが、発がん性が指摘され、現在では使用されていません。
また戦後から長らくクロム・銅・ヒ素化合物であるCCAが主流となっていましたが、クロムやヒ素による土壌汚染や燃焼排煙の有害性が問題になり、現在国内では使用されていません。
「木」は大気中の2酸化炭素を吸収して育つため、燃やしても2酸化炭素を増やすことのない唯一の建築材です。
そのエコ特性が再評価され、住宅の地盤改良で地面に打ち込む杭に、銅系の加圧式保存処理木材を採用する事例が増えてきているようです。
他にも太陽発電パネルの架台としても採用されなど、用途はいろいろと広がりつつあります。
抗菌木材は、銅の抗菌性と木材のエコ特性を上手に組み合わせた、人と環境にやさしい材料です。